エネルギー利得を同一にするため、浮体と釣合錘の重量比を2:1に設定した。また、浮体と釣合錘の配置を隣合う基本要素で互い違いにし、装置全体の動揺を抑えるようにした。実験は、補助浮体の有無と釣合錘重量を変化させ、水面波の周期T=1秒〜8秒、波高20cm以下で行なった。実験条件をTable1に示す。いずれの実験でも利得電力はゼロと極大値の間で変動した。このため、波の状態がほぼ定常になったのち、20波について極大値の平均をとり利得電力とした。
Table-1 Experimental condition
5. 実験結果
Fig.3は利得電力を波高Hに対してプロットしたものである。図では、補助浮体の有無と釣合錘重量でプロットを区別し、プロットの傍らに水面波の周期T(s)を記した。図には実海域で使用されている水柱振動型2)のT=2.8sのデータをも記入した。概して波高が高いほど利得電力は大きいが、波高による利得電力の増大は補助浮体の有無や釣合錘重量によりまちまちである。つぎに、発電効率を2通りの方法で評価した。第1は、エネルギーフラックスをFE、浮体有効幅をBEとして、
[効率1]:
効率1=利得電力/[FE×BE] (1)
である。浮体有効幅は、1対の回転運動のうち一つだけにより発電機を回すから常時2つの基本要素からエネルギーを抽出するとして1.02mと評価した。第2に、浮体と釣合錘を結ぶワイヤを自由プーリにかけた状態で水面波が生じたときの釣合錘の上下動よる仕事率の目安として
PC=釣合錘重量×2×波高/周期 (2)
を考え、次式で表される[効率2]:
Fig.3 Output power versus wave height
Fig.4 Efficiency versus weight ratio
(a)Efficiency 1
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